つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2013年4月5日 予算委員会

2013.4.5

議事録

辻元委員

今はっきりおっしゃいましたね。委員長、意見を変えないでほしいんですね。

というのは、この前、大飯の問題も、経済性とか社会的事案に関係なく、七月に、一旦とめて、検査するんだと。しかし、先日、私案というものをお出しになって、いや、これは九月の定期点検まで動かし続けるんだというように変わってきちゃっているんじゃないかなと。

もっと申し上げますと、民主党政権のときに、かなり厳しく委員長に対しても、意見は申し上げられませんけれども、やはり原発に対して厳しい姿勢でした。しかし、何かこのところ、安倍政権では、安い電力で経済成長、そのためにスムーズに再稼働させたいという空気が強くなってきている中で、原子力規制委員会までもがそれに引っ張られているのではないかというような声も出ているんですよ。私も心配しています。

そうすると、私は、五年間の猶予とおっしゃいますけれども、今は福島第一原発の事故があって最初の安全基準なわけですよ。だからこそ、やれることは全部やって、これはサイバーテロの対策もしっかりやらなきゃだめですよ。全部やった上で再稼働の判断だと思いますが、総理、いかがですか。

茂木国務大臣

我々は、原子力については、いかなる事情よりも安全性を大事にしていきます。そして、エネルギーについては、安定供給、これが、国民生活、経済活動の上からも極めて重要だと考えております。

同時に、今ほとんどの原発が停止をする中で、火力発電に九割頼る、そこの中で、燃料費も昨年三・一兆円上昇するということになりますと、当然、国民生活を考えても、また企業の行動を考えても、いかにしてこのエネルギーコストを下げていくか、これについても政治としてはきちんと考えていかなければいけない、私はそんなふうに思っております。

大飯の話、いろいろされていますが、ぜひ、大飯の再稼働を決められたのは民主党政権だ、こういったことも踏まえて御議論いただけるとありがたいと思っております。

辻元委員

だからこそ言っているんですよ。前政権も、反省することも、そして厳しくやったこともあるんですよ。経験したからこそ、今申し上げているわけです。

そして、今、低廉、安い電力が必要、これは私もそう思います、産業政策。しかし、福島以後は、いつも安倍政権の閣僚及び総理は、安い電力というのが先に出てきます。それ以前に、安全な電力を求める時代になったんです。ここが先なんですよ。ですから申し上げているんですね。

そこで、自民党の十年後のエネルギーのベストミックスについてお伺いをしたいと思います。

総理、安倍総理がこれについて、それは長過ぎるんじゃないかという批判に対して、これも先ほどのNHKの番組で、私、あれっと思ったのでちょっとこの際お聞きしておきたいんですが、例えば核融合というものは、もう何年もやっていますし、相当なお金をかけていますが、これは短縮しても七、八年はかかります、うまくいけば莫大なエネルギーを手に入れることができると。

この自民党のベストミックスの中には核融合も含めるということですか。七、八年で、これは可能性があるという何か根拠に基づいておっしゃったんでしょうか。いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣

NHKの番組で申し上げたのは、いわば無責任に単年度でそうしたものができるということを私たちは申し上げるつもりはない、こういう文脈で申し上げたわけであります。

我々は、三年間において、原発について、安全という判断を規制委員会でされたものについて、政府として責任を持って判断して再稼働させていくわけでありますが、同時に、再生可能エネルギーを初め、そうした新しいエネルギーについて国家資源を投入しながら新たなイノベーションを目指していく、そういう中において、十年以内にエネルギーのベストミックスを構築していくということであります。

そして、こうしたイノベーションというのは画期的なものができていきますから、そう簡単にはこれは予測できないんですね。ですから、七、八年でできるかもしれないし、それは、今まで五十年とか言われていますから、五十年かもしれないし、そこは今から予測することはできない。だからこそ、我々は、まず三年間で、国家資源を投入する中において、これはかけた予算規模にもよるということもございます、その中において、十年間の中において、ベストミックスをしっかりと構築できるようにしていくということであります。

中身について、今この場で、何が入っているか、何が何%かというのは、それはわかりませんよ。だから、我々は、できないことを言わないというのが自民党ですから、言うだけにはならないように、三年間でしっかりと、しかも、エネルギーというのは生活においても、産業においても死活的に重要なものでありますから、強い責任感を持って、ちゃんと三年間において、まずは国家資源をしっかりと投入しながら、十年間でベストミックスを構築していくということが責任ある立場であろう、このように考えているところでございます。

辻元委員

今、できないことは言わないとおっしゃったんですが、私はなぜこれを取り上げたかというと、自然エネルギーのことはもうわかっているんですが、核融合だけ、いきなり総理がおっしゃったんですよ。これは、もしもITERのことを指していらっしゃるとすれば、既に予算が七百億円、これが二千百億円に膨らんで、それでも実験炉すらできていない。そして、これは「もんじゅ」の二の舞になるんじゃないかなとちょっと思ったから言ったんですね。

私は、一連の話の中でこういう話がぽんと出てくるということこそ、今までこれは夢物語になるんじゃないかと言われてきたことをかなり重要なインタビューでおっしゃっている方が夢物語だと思いますよ。できもしそうにないことで、十年間のベストミックスというのを、あたかも何か新しいエネルギーがどんどん出てくるように、何か正当化しようとしているな。それに対して……(発言する者あり)いや、これは「もんじゅ」の二の舞になりますよ。非現実的ですよ、実際に。

ですから、私は、このエネルギーの問題というのは非常に難しい、それはよくわかります。しかし、原子力規制委員会もしっかりしていただきたい。政治的なことや経済や社会の案件を考えずに、科学的にやるとおっしゃっていたわけです。そして、安いエネルギーで経済成長をという大合唱に、今、安倍政権がなっているように思います。そして、民主党の二〇三〇年代にはゼロにしよう、これは再処理も今後どうするか議論になるかと思いますが、再処理したらプルトニウムが出ますよ。MOX燃料もうまくいきませんよ。いっていませんよ、実際に。

そして、そういう中で、きょう、石原慎太郎日本維新の会代表がインタビューで、ここにありますが、びっくりしました。「核武装を議論することもこれからの選択肢だ」。

以前、麻生総理も、私、これは思い出したんですけれども、安保委員会で議論した折に、核兵器というものの保有についても検討すべきか、だんだん隣がみんな持っていくときに日本だけ何の検討もされないというのはいかがなものかとか、安倍総理もかつて、憲法上は原子力爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は、小型であればねと発言されているんですよね。

プルトニウムがどんどんたまっていく。私は、原発はフェードアウトしていくしかないと思います、その問題から考えても。ですから、自然エネルギーをふやして新しい産業をつくることと同時に、国際社会を見ても、日本の閣僚や政党の代表が核武装の論議を言う、そしてプルトニウムをため込むなんということになったら、日本の信用も下がっていく。私たちは総合的に考えて、トータルに、外交も全て考えて、二〇三〇年代にゼロが現実的だとして民主党は判断をいたしました。

自民党は、日本を取り戻すというのは、英語で言えばジャパン・イズ・バックというんですか。私は、何か安いエネルギーで経済成長という錦の御旗のもとに、もとのエネルギー政策に自民党は戻っているんじゃないか。日本を生まれ変わらせなければならないわけです。リボーンですよ。

ということを最後に申し上げまして、余り民主党の政策に非現実的だとおっしゃらない方がいいということを申し上げて、終わります。

ありがとうございました。