つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2013年5月10日 法務委員会

2013.5.10

議事録

辻元委員

これは、大臣が最初に、立憲主義とは権力を縛るというような趣旨の御発言をされて、私は、権力に刀を渡すことにつながりかねない、そういうことを規制をかけるのが憲法ですよ。

それで、この自民党の草案によれば、現行憲法の九十九条のいわゆる憲法尊重擁護義務、これは自民党の案によりますと、「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」と、国民に尊重義務を課しております。これも先ほど一番最初に大臣が、権力を制限するんだ、これが立憲主義の基本だと。

調べてみますと、私たちの国、よく、安倍総理の好きなお言葉で言えば、自由民主主義、法の支配を基本にしている国々、共通の価値を持っている国々と一緒にやっていきたいという、これを大事にしている、価値観を持っている国々は、アメリカも韓国もフランスもドイツも、国民に尊重義務を課している国々はございません。課しているのは、中国やロシアなんですよ。

これは私は、今、先日のアメリカの議会で調査局が出した報告に、日本は歴史修正主義者の政権なんじゃないかというようなことが出たという話も、大臣も御存じだと思います。そして、いわゆる、よく安倍総理がお使いになる、自由民主主義、法の支配、これは立憲主義の逸脱は許さないということだと思います。

国民の憲法尊重義務を入れるというのは、私は、近代立憲主義をとり、そして民主主義を大事にする日本の憲法としてはふさわしくないと考えますが、いかがですか。

谷垣国務大臣

憲法というものも、それは確かに、一つは、権力を縛るという意味があるのは事実です。しかし、同時に、憲法はみんなで育てていかなければ、憲法というものも十分に機能しないと思いますね。ですから、国民がこの憲法を育てていこうという気持ちになっていくということは、私は十分理由のあることだと思います。

辻元委員

これは、育てていこうというものではございません。これにかかっているのはどういうことかというと、例えば、先ほどから出ておりますように、公益及び公の秩序に反したら結社は認めない、これも国から国民への命令ですよ。そして、例えば国旗・国歌の尊重義務、これはロシアや中国ですら入っておりません。多民族の国家になるし、内心の自由との関係もあるでしょう。これを自民党の草案は入れていらっしゃいます。それから、家族は助け合わなければいけない、道徳規範も私は立憲主義の憲法にはふさわしくないと思っております。入っております。立憲主義の国で、そんな、ただ単に国民とともに育てていくというような話で、法務大臣の御認識でいいのかと私は思います。

この問題は引き続きやっていきたいと思いますが、あと一点、時間が限られておりますので。

三分の二を二分の一にするという話も、安倍さんは国民の手に憲法を取り返すと言って、私は反対だと思います。国民から憲法を奪うことになると思います。それは、自分たちが縛られている権力者が、自分たちが変えやすいように規制を緩めるというのは、国民の手から権力者が憲法を奪うことにつながりかねない政治状況だと私は今思っております。

そして、橋下大阪市長が、国民投票をするんだから、国民を信用していないのか、これも、国民が権力を信用しないというのが憲法原理です。国民が時の権力が暴走するのをとめる、権力は暴走する可能性があるから、それをとめようという規範が立憲主義の基本だと思っております。その国民は、だから、ころころ時の与党、権力者がかわっても、多数がかわっても変えにくくしている。

最初に石原さんの話もいたしました。そして、私は、谷垣大臣には申しわけないけれども、きょうはちょっとがっかりしたんです、御答弁。これは続きをやらせていただきますけれども、大事ですから、私は、自民党のこの憲法草案のような形の憲法に変えたいという、国民にも憲法を尊重させるという、そのもとで二分の一に、そういう方向に変えたい二分の一、これはむしろ権力者の欲求を満たしたいだけではないかというように思うということを最後に申し上げて、時間が来ちゃったので、残念なんですが、終わって、また次やります。

ありがとうございました。