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2013年5月29日 法務委員会

2013.5.29

議事録

おはようございます。辻元清美です。

一カ月ほど前、ハーグ条約関連法案の審議をいたしまして、今後運用面でということでさまざまな問題点が指摘されました。きょうは、そこで余り出ていなかった点について一つ質問をしたいと思いますことと、それから、後半で時間がありましたら、前回の一般質疑で谷垣大臣の憲法観について実りの多い議論をさせていただきましたので、引き続き、前回ちょっと聞き足りなかったところをお聞かせ願いたいと思います。

前回、ハーグ条約に加盟するに当たりまして、女性のDVの問題が随分議論されました。主に、日本人女性が例えばアメリカなどで結婚して、そして現地で結婚関係がうまくいかず、特に夫の暴力などによって子を連れて日本に帰ってきた場合、この日本人女性のアメリカでのDVを、どのように現地の大使館などで未然に支援をしてきたのかとか、それから、子を連れ去ったということで、子供を常居所地国に帰した場合の対応などを議論してきました。

本日は、日本国内で国際結婚した場合、特に今、日本人男性とアジアの国々の女性の結婚、そしてこの結婚が離婚に至る場合、タイなどはハーグ条約に加盟しておりますので、日本人男性と例えばタイ人の女性が結婚していて、そして日本人男性によるDVなどの原因で子をもとの自分の出身国に連れ去った場合のハーグ条約の運用について、お伺いしたいと思っております。

といいますのも、今、国際結婚が随分ふえております。一九九〇年代より急増で、定住する外国人女性の多くは国際結婚、そしてアジア系の方々が多いです。例えば、インドネシアなどからは介護職などで人がふえてきたり、それから、今TPPの議論がございますけれども、これは労働の移動の自由というような方向に行きますとさらにふえる可能性があります。

アジアの国々でハーグ条約に加盟していない国も、今後、加盟していく国がふえることも予測されますので、その体制がどうなっているのかを中心にきょうは伺いたいと思います。

厚労省の婚姻統計によると、二〇〇〇年以降、国際結婚件数は年間三万五千から四万人、日本における結婚総数の約五%前後であると言われております。また、そのうち八割が外国籍女性と日本国籍の男性の婚姻。

そして、国際結婚の増加を上回る勢いで国際離婚が増加しているという現象も出ております。この場合、日本人男性と外国人女性の力の格差といいますか、DVが原因で離婚ということも多々見られております。移住女性が家族や地域、それから職場などで差別をされたり孤立している状況も、NPOなどが支援をしたり、随分ふえてきていると言われています。

DVの被害による一時保護をした件数を見てみますと、日本国籍、日本の女性のDVによる被害に比べ、国際結婚等、外国籍の日本にいる女性の一時保護率は、外国籍の方が五倍になるというような統計も出てきております。

日本はこれから国際国家になっていかなければいけないわけで、このような対応をどのようにしているのか、まず伺いたいと思います。

大臣、このように、日本の、外国人の方と日本人男性の結婚、そして離婚がふえていて、DVが背景にある、そして、もといた国に子の連れ去りなども起こるというような現状、どのように把握されていますか。

谷垣国務大臣

政府として、日本からアジアへの子の連れ去りの件数、あるいは、今おっしゃった家庭内暴力がそのうち、どういう原因になっているのかというようなことについて、必ずしも十分に把握できているわけではありません。

外務省やあるいは日弁連が行った調査結果がございますので、そういうものに照らしますと、やはり、アジア等各国との国際結婚もふえておりますし、うまくいかなくて子が連れ去られたという件数も相当数に上るものと思いますし、その中には、今指摘されたような家庭内暴力によるものも相当な数に上るのではないかと思っております。

アジア各国は、まだ必ずしもハーグ条約等に加盟したところが多いわけではございませんけれども、こういう国際、やはり何かルールがないとなかなか裁けませんので、ハーグ条約等々のもとで適切に解決できるような努力を我々もしていかなければいけないのではないかと思っております。

辻元委員

外国籍の女性と日本国籍の男性の場合の結婚で、子の連れ去りが把握し切れていないけれども、増加する可能性もある。これは、その外国籍の女性の悲劇であるだけじゃなく、日本国籍の男性にとりましても悲劇になるわけですから、未然に、国内で起こっていることを、DVなどの対応をきちんととっていくということはとても大事なことだと思っております。

ちょっと現状確認なんですけれども、入管局における移住女性のDV被害者認知件数というのは昨年度どれぐらいあったのか、これは入管にお聞きしたいんです。そして、引き続きもう一問、これは警察の方に、日本に住む外国人女性による警察などへのDV被害の訴えにどのように対応してきたのか。現状をお聞かせください。

榊原政府参考人

入国管理局の方からお答えいたします。

平成二十四年の入国管理局によるドメスティック・バイオレンス事案の認知件数につきましては、七十八件ということになっております。

なお、この件数は、在留審査または退去強制手続等のため地方入国管理局等に出頭した際などに申し立てがあり、ドメスティック・バイオレンス被害者として把握したものを集計しているものであります。

以上でございます。

山下(史)政府参考人

お答えをいたします。

警察庁では、DVに関する統計におきまして、外国人女性を区別して集計していないため、全国の状況は把握してございませんが、DV相談の多い都道府県警察に被害者数を確認いたしましたところ、これは昨年中でございますが、大阪府では四千五百六十七人中百五十人、東京都では二千七百三十八人中二百十九人が外国人女性だったとの報告を受けてございます。

お尋ねの外国人のDV被害者への警察の対応についてでございますが、まず、被害の状況や事情を的確に聞き取るため、通訳等による正確なコミュニケーションに努めてございます。例えば、警察庁では、被害者に対してフローチャート等による具体的な支援措置等の説明を行い、その意思決定を支援する手続、これは本年から導入したところでございますけれども、愛知県警察や静岡県警察におきましては、タガログ語やポルトガル語で記載をしたフローチャートを作成して活用してございます。

また、相談に当たりましては、日本で生活をする外国人女性の心情、境遇等にも配慮した親身な対応に努めているところでございます。例えば、外国人女性の方は、保護命令等の我が国の制度につきまして、母国に同様の制度がないと理解することが困難な場合も考えられますことから、制度の教示に当たってはこうした点にも特段の配慮をすることなどを都道府県警察に指導しているところでございます。

辻元委員

DVの被害の対応というのは、日本人、同じような文化、伝統の中で過ごし、言葉も日本語の日本人の対応でも非常に難しくて、つい先日からも、ストーカーであったり、さまざまな事件も生じておりまして、外国人への対応というのはさらにセンシティブで難しいと思うんですね。

ここはやはりこれから強化していくという方向にしていただかないと、日本の、人権を守るというのは、日本にいる全ての人の人権を守るという観点からしっかり対応していかないと、国際国家としてやはり民主主義度が問われると思いますので、そこはしっかり対応を強化していただきたいと思っております。

関連いたしまして、入管法の改正が先日ございましたけれども、これが少し阻害要因になっているという点も指摘されております。

これは、国連の関連機関、女性差別撤廃条約委員会からも日本は勧告を受けておりまして、外国人の、特に女性に対する対応です。

外国人女性が受ける暴力は、身体的、精神的、性的暴力に加え、文化的暴力と在留資格などの不安定な法的地位を利用した暴力が広く知られている、日本における国際結婚女性の法的地位が日本人配偶者に依存している現在の在留資格制度がDVの助長につながるとの懸念は、国際機関の勧告において繰り返し言われておる。これは、二〇〇九年の八月に出された女性差別撤廃条約委員会最終見解、パラ三十一です。それから、外国人女性が深刻な被害を受けるハイリスク集団であるにもかかわらず、言語や制度の壁により十分な支援を受けられない現実への懸念等、勧告も同様に繰り返し行われているということなんですね。

ここで入管にちょっとお聞きをしたいんですけれども、入管法改正によって、特に、日本人の配偶者などが、その配偶者の身分を有する者としての活動を継続して六カ月以上行わないで在留するということが在留資格取り消しの理由になったり、それから、中長期在留者が法務大臣に居住地の新規及び変更の届け出を九十日以内に行わないときもその対象になるなどの点が指摘されているわけです。

特に、国際結婚して日本に在留している、そして悩んでいる人たちにとっては、結婚生活が破綻したから夫と離れて別居をしよう、しかし、夫の側を主体にした在留という制度になっておりますので、六カ月を超えるとこれは在留資格がなくなってしまうんじゃないか、そうすると、子供は夫との間にいて自分が面倒を見ているんだけれどもということで、非常に不安になったり、それからDVを我慢したりという事例もNPOなどには多数寄せられているわけです。

この点についての、例えば、例外規定があるのかとか、相談であったり、多言語での周知徹底、これはどうなっているのか、そして、特にDV被害者の入管での認定のあり方の見直しなど、先ほど警察の対応は聞きましたけれども、入管法改正と絡みまして、こういう問題点についてどのような御認識と対応をとられているのか、お聞きしたいと思います。