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海上自衛隊の流出資料に関する質問主意書

2006.5.19

質問主意書

2006年5月19日
提出者  辻元清美
衆議院議長 河 野 洋 平 殿
 今年二月、海上自衛隊佐世保地方総監部に所属する自衛隊員の私物パソコンから、ファイル共有ソフト「ウィニー」を通じて、自衛隊法上の「秘」(機密、極秘の次に重要)扱いに該当するファイル、資料がインターネット上に流出する事件が発生した。その後、陸上自衛隊、航空自衛隊からも、同様に「ウィニー」を通じて資料が流出するなどした結果、防衛庁では「保存データの独自の暗号化」「公用パソコン約五万六〇〇〇台を購入」などを骨子とする最終報告案をまとめ、再発防止を徹底する旨を表明している。
 流出したとされる文書の中には、佐世保地方総監部が作成した「15G実演総監報告資料」(以下=「15G」文書)という文書ファイルがあるが、これらは、二〇〇三年一一月に海上自衛隊が米軍と共同で行った実働演習の詳細が記録されている。同文書では、朝鮮半島全域を緑軍(米国軍)の「作戦区域」と設定した上で、周辺事態および日本有事(防衛出動に該当)における自衛隊の諸活動が明記されている。より具体的には、日米共同による船舶検査活動、「作戦輸送」という名前の後方地域支援活動、あるいは日本に展開する米艦隊(空母キティホーク含む)の護衛といった作戦演習が事細かに記述されており、これらの大規模な演習が、スケジュールに沿って行われた事実がこの「作戦計画書」から窺える。
 そこで、これらの事実に関連して、以下の通り質問する。
一 「15G実演総監報告資料」は、いずれも海上自衛隊佐世保地方総監部から流出したものか。またそれは「秘」文書に相違ないか。
二 「15G」文書では、「武力攻撃のおそれがある場合」の前段階において「周辺事態における安全確保・警戒」という目的で、朝鮮半島内で軍事行動を遂行する米軍を支援する形で自衛隊が諸々の作戦行動を行っているが、このような演習が行われた事実はあるか。その事実があったとすれば、政府は事前にそのことを把握していたか。また、それは、政府の方針に基づいたものか。
三 右記のような軍事行動が実際に行われた場合、集団的自衛権の行使となるかどうか政府の見解を示されたい。
四 この時の演習で、自衛隊・米軍は共同で「船舶検査活動」についての演習を実施している。これは国際法でいうところの「臨検」と同じ行為になると認識しているか。また、自衛隊がこのように米軍と協力して軍事演習を行っている事実について、政府は承知しているのか。
五 右記のような軍事行動が実際に行われた場合、憲法第9条第2項に抵触しないのか政府の見解を示されたい。
六 「15G文書」には、〈緑海軍部隊との関係〉と題された項目に下記のような文章がある。以下、引用する。「緑海軍と共同する場合の作戦調整は、海上作戦部隊の各部隊の指揮官と対応する緑海軍の各部隊指揮官との間及び作戦現場の部隊間においてそれぞれ実施される」。ここでいうところの緑海軍は米海軍であり、米軍と自衛隊との協力関係を規定したものと考えられるが、いかがか。また、この時に行われた作戦演習の内容を吟味するかぎり、自衛隊が米軍(第七艦隊)の指揮下で一部の作戦行動を行うと思われるがいかがか。
七 右記のような軍事行動が実際に行われた場合に集団的自衛権の行使となるかどうか政府の見解を示されたい。そうでない場合、外国軍隊との共同行動において、集団的自衛権の行使とみなされるのはどのような場合か政府の見解を示されたい。
右質問する。