辻元清美 official website

News

2015年6月26日 「安保法制」特別委員会

2015.6.26

議事録

今の寺田委員と総理のやりとりをお聞きしておりまして、総理、これは普通、会社の社長だったら、自分のところの社員が本当におかしなことを言ったり、そして会社が呼んだ講師とか、そして話を聞こうと。普通は、社長だったら自分のところの社員に責任を持つんですよ。

 だから、私はやはり、自民党の議員が、報道、もう一回申し上げますよ、見過ごせないですよ、これ。でしょう。(発言する者あり)いや、これは今、一部のはね返りとおっしゃいましたけれども、この文化芸術懇話会という議員の集まりは、安倍総理大臣の応援団の集まりだと私は思っております。そして、ここに呼ばれた百田さんは、後で質問したいと思いますが、安倍総理と百田さん、呼ばれた講師の本がここにあります。この中で、お互いに意気投合して、総理が非常に同じような意見だということで評価し、そして総理がNHKの経営委員に安倍政権として選んだ人じゃないですか。
 ですから、単なる、いろいろな話を聞くし、自民党にいろいろな人、意見が違う人も来ますという話じゃないんじゃないですか。総理がもしもそのように思っていらっしゃるとすれば、安倍政権そのものの体質が本当に劣化している。
 総理、仮に百田さんに来てもらって、総理ととても仲のいいと書いてありますよ、来てもらってお話を聞いて、そしてその中で、経済界に言ってメディアに圧力をかけろとか、そして私はここは見過ごせませんよ、この百田さんが、沖縄の米兵がレイプ事件を起こしたことがある、過去何例もある、けれども、沖縄に住む米兵が起こしたことよりも、沖縄県全体で沖縄県自身が起こしたレイプ犯罪の方がはるかに率が高いです、こういうような信じられない発言をしたのかと。委員長はこの発言があったということを確認したというさっきのお話なんですよ。
 総理が本をお出しになって、それも国から予算が出ているNHKのメディアの経営委員にお選びになった、その人が発言している。これは普通のことではないという危機感は総理はないんですか。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣

 先ほど申し上げたとおりでございます。
 また、講師がどのような話をされたか、これは議事録が残っているわけでもないわけでございまして、私自身はこれを確認のしようがないわけでございますし、そもそもお話しになった内容は、外に出すということは前提にしていない中において話をされた、このように先ほど加藤副長官も紹介をしておられたわけでございます。
 その上において、まさに沖縄の問題については、戦後七十年、沖縄の歩んできた苦難の歴史に思いをはせながらしっかりと沖縄の振興を図っていかなければいけませんし、米軍基地が沖縄に集中しているという状況を変えるために我々は全力投球してきたところでございまして、我々の考え方が先ほど紹介をされたような考え方とは大きく違うということは御理解いただけるのではないか。
 まさに普天間基地についても一日も早い移転を進めなければならない、こう思っているわけでございますし、負担軽減につきましては、十五機の空中給油機は岩国に移設されたわけでありまして、十七年間の懸案が安倍政権において解決したわけでありますし、西普天間の住宅地区につきましても、これも長い間の懸案でございますが、安倍政権のこの二年半において返還がなされたわけでございます。そして、普天間基地の辺野古への移転につきましては、まさに機能を三分の一にしていくわけでございますし、面積も三分の一になっていく。そして、防音が必要なお宅の数も、今は一万戸あるのでございますが、辺野古に移った段階ではゼロになる。
 こういうことを一つ一つ私たちは実行しているわけでございまして、今、辻元さんがおっしゃっているように、沖縄を米軍基地のままでいいような発想をしているということは、米軍基地が集中しているという状況を肯定するような考えは全くないということは申し上げておきたい、このように思います。

○辻元委員

 今、総理は二つのことをおっしゃいました。内容は確認できないと。ところが、委員長が先ほど、午前中に寺田委員が言った内容を確認しましたと言っているわけですよ。わかりますか、総理。そして、公開で行われた会じゃないとおっしゃった。秘密の会だったらこういう発言をしていいと総理はお考えですか。自民党では公開じゃないような会議でこのように、メディアに圧力をかけろとか、沖縄の人たちの基地問題を。ほかでもこういうことを言っているのかしらと私は思いますよ、総理。違いますか。総理、委員長がこの内容は確認しましたという話なんですよ。
 ですから、私は確認していないとか、公開の会議じゃないんだからいいんだというような問題だとあなたは思っているのか。総理、るる言いわけされない方がいいですよ。そういう姿勢が安倍政権の体質だと国民が思いますよ。いかがですか。こんな会議をして本当に自民党として恥ずかしいとか、申しわけないと思うとか、何かそういう総理自身の言葉はないんですか。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣

 先ほど私が話した言葉だけでも、辻元さんの紹介になると、秘密の会であれば何を言ってもいいんだと私が言ったかのごとくになりますね。実は違いますよ、全然。私はそんなことは言っていないじゃないですか。
 私が言ったのは、講師が、自分がしゃべった内容が公開されないことを前提にしゃべっているということであります。ですから、当然議事録も残っていないわけでありますし、内容について何をしゃべってもいいなんということを私は一言も言っていないじゃないですか。私が言っていないことを言ったかのごとく紹介して、私を批判されて答弁を求めても、これはなかなか答弁のしようがないじゃありませんか。
 私は、秘密の会だからといって何を言ってもいいということは一言も言っておりません。そして、その上で申し上げれば、委員長は先ほど確認をされたとおっしゃっていた、ですから私は、それはそういうことなんだろう、こう思っております。ですから、委員長が言われたことを踏まえて私は発言をしているわけでありますが、先ほど来の質問におきまして、まさに私自身はなかなか調べようがないという状況であるわけでございます。そのことについてお話をしたのであります。
 いずれにいたしましても、党としての立場あるいは安倍政権としての立場は先ほど申し上げたとおりでありまして、先ほど我々の立場は申し上げておりますから、まさに報道の自由というのは民主主義の根幹である、当然尊重されなければならないというのが安倍政権の立場であり、そして自民党の立場でもあるわけであります。このことはしっかりと確立されていることであり、今後も不変の姿勢であるということは申し上げておきたい。
 まさに、その上において、今後自民党は、誤解されることがないようにしっかりと襟を正しながら、報道の自由は守りながら、しかし主張すべきことはしっかりと主張していく、反論には耳を傾けながら議論を重ねていく上において我々は政策を推進していきたい、こう考えているわけであります。

○辻元委員

 先ほど委員長が内容を確認しましたという内容について、それではお聞きしたいと思います。
 この百田さんと安倍総理は本を出していらっしゃいますね。そして、この本がなぜ出されることになったかといういきさつは、ここに書いてありますけれども、「WiLL」という雑誌で百田さんが総理のことを評価された。そして総理が携帯電話に電話をかけられた、百田さんに。そこからいろいろなことを一緒にやり始めたというようにこの本に書いてございます。
 総理はこの百田さんとは非常に、本もお出しになって、そしてこの後書きには「百田さんとは「WiLL」に掲載するため二回にわたって長い対談をしたが、」と。これは総理からの申し出ですよ、百田さんに。そして「近年、これほど楽しく対談したことは少ない。育った環境はまるで違うが、同年代ということもあろう。百田さんとは話が合うのである。」と物すごく意気投合しているんですよ、この対談の本。百田さんとは話が合うんですね、親しいんですね。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣

 そのこととこの平和安全法制がどういうかかわりがあるかはなかなか理解が難しいのでございますが、私と百田さんとの関係においては、いわば対談でお話もさせていただきましたし、会食したこともございます。意気投合することもございますが、ただ、お互いに全ての主張が一緒ということではないわけでありまして、主張が違うけれども意気が合うということは、辻元さんはないのかもしれませんが、我々は、主張があるけれども意気投合するということはあるわけであります。
 岩屋さんとは政策的に違いはありますが、お互いに親愛、信頼し合って意気投合することもあるわけでありまして、岩屋さんが例えば言ったことを全部私がそれはそのとおりだと思っているわけではないし、また私が言ったことを岩屋さんが残念ながら全部そのとおりだとは思っていないということであります。

○辻元委員

 今笑いが出ましたけれども、笑うような話ではないですよ、これは。
 では、総理にお聞きします。
 なぜかといいますと、後で沖縄の話をしますが、本法案と沖縄は密接に関係があります。というのは、沖縄には米軍基地があります。いわゆる集団的自衛権、一部で限定であろうが、これを沖縄の人たちはどう見ているか。基地の固定化につながるんじゃないかと。日本を守るだけじゃない、重要影響事態ということで世界じゅうに出ていく、沖縄の基地から米軍も行くということ。それから、後で議論したいと思いますけれども、一たび相手から敵とみなされたら、よく言うじゃないですか、ミサイルが飛んでくるかもしれない。米軍基地が狙われるんですよ。米軍基地はどこにありますか、沖縄でしょう。標的にされるんじゃないかと沖縄の人は思っているわけですよ。
 そして、その沖縄の意見をさまざまな角度から報道しているのがこの沖縄タイムスや琉球新報じゃないですか。これは一面トップですよ、きょうの話。ですから、この平和安全法制とどう関係あるのかしらという総理大臣の発言に私は愕然といたしました。
 今、総理と一緒に本を出している百田さんは、沖縄タイムスや琉球新報、沖縄の二紙ですよ、この二紙に対して、沖縄の二つの新聞は潰さないといけない、沖縄のどこかの島でも中国にとられれば目を覚ますはずだがと発言しているわけです。これは、浜田委員長が内容を確認したとさっきおっしゃった内容です。総理、こういう発言をする人を安倍政権はNHKの、報道の経営委員につけてきたわけですよ。不適切だったと思いませんか。

○安倍内閣総理大臣

 私自身は発言について、つまびらかに承知をしておりません。そして、百田さんにつきましては手順を踏んで、国会の議決があり、そして経営委員に就任されたというふうに私は承知をしております。
 いずれにせよ、今紹介されたような意見に我々は全く賛同しているわけではないわけでございまして、沖縄につきましては、まさに我々は沖縄の負担を軽減するために努力を重ねてきているわけでございます。まさに十九年間全く動かなかったんですから、普天間の固定化、これは断じてあってはならないという考え方のもとに今、苦しいですけれども作業を進めているところでありますし、先ほど申し上げましたように、一つ一つ課題を解決していくしかないんですよ。ですから、それがまさに我々政治家に求められていることなんだろう、このように思います。
 皆さんも政権をとっておられたんですから、そのときにどれぐらい前進したかということを、それぞれが胸に手を当てて考えながら前に進めていくことが大切ではないか、このように思います。

○辻元委員

 今総理は、内容をつまびらかに確認していないとおっしゃいましたね。おっしゃいましたね。
 委員長、委員長にお聞きしますが、委員長は内容を確認されたということでよろしいですね。

○浜田委員長

 内容は、今お話がありましたように、寺田委員からの指摘のあった部分、これを確認させていただきました。

○辻元委員

 ということは、今私が申し上げた部分は、寺田委員から午前中に指摘があったから確認したということでよろしいですね。

○浜田委員長

 そうです。

○辻元委員

 はい。確認しているわけですよ。
 総理、自分が確認していないって、委員長の言ったとおりですとさっきおっしゃったじゃないですか。憲法学者に対して、人選ミスだったとおっしゃった。この百田さん、沖縄の二紙を潰した方がいいというようなことを発言している人をNHKの経営委員に安倍政権はつけてきた。こっちが人選ミスじゃないですか。違いますか。

○安倍内閣総理大臣

 私は、憲法学者について、人選ミスだと発言したことは一回もございません。
 ですから、まず、私の発言を正確に引用していただきたいと思います。私が発言していないことを発言したとして、それを前提に質問されてもまさにこれは答えようがないわけでありまして、まさに議論というのは正確な事実の上にお話をしましょうよ。
 ですから私も、確かに委員長が御確認をされたという事実は重たいわけでありますが、しかし、本来であればそういう論評を、しかも経営委員であったかどうかということについて私が今ここで論評をする上においては、実際にどういう意図かということも含めてこれは本来確認しなければならないことなんだろう、こう思うわけでありまして、いずれにいたしましても、国会の議決をいただいて選任されたというふうに承知をしております。

○辻元委員

 今、議論を正確にするためにきちんと物事は確認してとおっしゃった。
 一方、総理は、午前中の寺田委員で、これは本当にマスコミに対してもですし、沖縄に対しても、本当に沖縄の皆さんが屈辱的な思いをお持ちになる話なんですよ、それが自民党の会合で出た。総理は正確に確認してから物を言えと言いながら、御自身は、あれだけ午前中問題になったのに、私はつまびらかに内容を確認していませんからと。あなた、自分の態度が矛盾していると思いませんか。
 総理、失礼ですよ、人にだけ言って。総理、そうしますと、正確に議論するために、この内容が事実であるか、やはり総理に確認をしっかりしてもらわないと。総理は今おっしゃいましたね、事実を確認して議論してくださいとおっしゃるのであれば、総理ももう一度確認していただけますか。

○安倍内閣総理大臣

 まず、辻元委員は、この短い議論の間に、二つも私が言っていない発言を、言ったといって発言された。しかも、結構重要な発言であります。そういうことはお互いにやめましょう。だから、そういうことがありますねと。実際そうなんですから。
 私が言ってもいないことを、辻元さんは私がこう言ったと、秘密の会であれば何を言ってもいいんだと私が言ったと。こういうことは伝聞の恐ろしいところで、まさに辻元さんがそれをテレビで話せば、私がそう言ったということになってしまう。人選ミスだと私が言ったと。言ってもいないわけであります。ですから、やはりそれを前提として議論するのはどうかということを申し上げているわけでありまして、これがどこが失礼なのかということはあえて問いたい、こういうふうに思うわけでございます。
 その上において、いわば経営委員においては、先ほど申し上げましたように、手順を踏んで、国会で議決されて経営委員に選出されたものと私は承知をしているわけでございます。

○辻元委員

 それでは、一つ一つ、先ほどの部分以外のところも総理の御意見を承りたいと思います。
 普天間の問題を百田さんはおっしゃっています。この普天間基地というのは田んぼの真ん中にあった、何にもない、民家もありましたけれども田んぼの中にあった、そこに、基地の周りに行けば商売になるということで、みんなどんどん何十年もかかって基地の周りに住み出してという発言をしています。そこを選んで住んだのは誰やねんと。そして、基地の地主さんが六本木ヒルズとかに住んでいる、大金持ちなんですよとおっしゃっているんですよ。
 これは間違った認識ですね。いかがですか。

○安倍内閣総理大臣

 今、一民間人の発言について、私がそれを間違っているかどうかと言う立場にはありませんが、政府の考え方は、先ほども申し上げましたように、普天間基地の固定化はあってはならないと申し上げているじゃないですか。
 危険性を除去しなければならないというのがまさに安倍政権の立場であって、民主党政権のときには一ミリたりとも動かなかったでしょう、それをまさに私たちは動かそうとしているわけでありますし、十五機の空中給油機だってそのままだったじゃないですか、民主党政権時代は。安倍政権においては、この十五機の空中給油機を全機、山口県の岩国基地に移駐させました。こういう実績を一つ一つ私たちは示しているんですよ。
 いわば民間人の発言を云々するよりも、どのように私たちは政治家として実際に具体的に負担を軽減させていくか、この実行力が私は問われているのではないかと思います。私たちがやってきたことを見ていただければ、我々は普天間基地をそのままにしていいと考えては全くいないということは明らかではないかと思います。

○辻元委員

 先日、総理は、沖縄の慰霊の日、六月二十三日に行かれて御発言もされました。
 沖縄は本当に戦争の苦しい歴史がありますよね。沖縄ではさきの大戦でどれぐらいの方が亡くなったと認識されていますか。

○安倍内閣総理大臣

 七十年前、沖縄の地において二十万を超える貴重な人命が失われたわけでございます。

○辻元委員

 四人に一人とも言われているわけです。
 ですから、今回、今私が申し上げているこの問題というのは、単に一民間人という話ではなく、NHKの経営委員もされていて、安倍総理と一緒に本も出されていて、さらに安倍政権がNHKというメディアの経営委員、影響力がある人に選んでいた人だからこそ、そして沖縄にかかわることをこのような発言をされているから私は申し上げているわけです。
 そして、この沖縄の慰霊の日、残念ながら、先ほど自民党の議員が不本意な発言もあったとおっしゃいましたけれども、必ずしも大歓迎で総理が迎えられたわけではないということは皆認識しているわけです。今、総理は努力をしているとおっしゃったけれども、それでは、どうして沖縄では知事とも対立し、そして、この間の慰霊の日も私も悲しかったです、見ていて。いろいろな声が飛びました。どうしてだと思いますか、沖縄の皆さんのお気持ち。どうしてだと思いますか。総理はどのように御理解されていますか。

○安倍内閣総理大臣

 翁長知事も自民党の県連の幹事長として、そしてまた市長時代も、普天間基地のいわば移設先は危険の除去のためには辺野古しかないということで、我々とともに汗を流していたのは事実なんですよ。なぜここまでになってしまったか。これは繰り返し申し上げたくはありませんが、民主党政権下において鳩山総理が、最低でも県外とおっしゃったじゃありませんか。これは人のせいということではなくて、事実であり、極めて重大な事実だからこそ申し上げておきたいと思います。
 その前に、我々はまさに辺野古という解決案について説得しながら、名護でも市長選挙に勝ち、あるいは県知事選挙も勝っていたわけでございますが、いわば政府自体がそういう発言をしてしまえば、当時野党であった自民党の沖縄県連も、自分たち自体、責任を持つ政府がそういう無責任な態度をとってしまっては、県連としてもこれはどう考えるべきか、政府自体が県外ということを恐らく責任を持って言っているのであろうということで、いわば県外ということに傾いていかざるを得なかったわけでございます。
 それが、一年にも満たない間において、やはり辺野古ということになったわけであります。その中において、県民としては、辺野古が唯一の解決策なんだろう、残念だけれどもそれはしようがない、まずは普天間の危険の除去だなという考え方のもとに、その方向で進んできた。しかし、なかなかそれは動きとしては前に進んでいなかったのは事実であります。
 そこで、我々はもう一度、もちろん、ずっと検証した結果、普天間移設という道しかないという中において今進めているわけでございます。この道をとらなければ残念ながら普天間に固定化されるというのも事実でありますし、普天間から辺野古に移設することによって、三つある機能のうち移るのは一つ、オスプレイの駐留という機能だけになるわけでありますし、同時になるべく訓練も本土に移そうという努力をし、そしてそれは成果を上げつつあるわけですよ。
 もとをたどればどこなんだとおっしゃったから、それは、もう繰り返し申し上げたくありませんが、当時の鳩山総理が最低でも県外とおっしゃったじゃないですか。最低でも県外とおっしゃったら、しかも、総理大臣がおっしゃった言葉というのはやはり重たい。みんなが我慢しながら前に進もうと思ってきた気持ちがやはり折れたんだろう、このように思います。
 政府と沖縄との信頼関係を取り戻すというのはそう簡単なことではないわけでありますが、そこで我々は一つ一つ丁寧に御説明をしながら、実際に今、沖縄全体では負担が軽減され始めているわけでありまして、この二年半で全く十数年の懸案というのが動いているのは事実じゃないですか。そして、事実上地位協定の改定ではありませんが、環境にかかわる協定を新たに結んでいくことになるわけでありまして、これは全く新しい、この地位協定ができて初めての出来事であります。そうしたことを今一つ一つ私たちは積み上げているんだということも御理解をいただきながら、沖縄の皆様のお気持ちに沿いながら、さらに我々が進めているこの普天間移設に対する御理解を高めていきたい、努力を重ねていきたいと思っております。

○辻元委員

 私は、民主党政権のときの反省しなきゃいけないことはいっぱいあると思います。しかし、慰霊の日に総理大臣が行って、ある意味罵声のような声が飛ぶとか、それから今、自民党政権に対して、安倍政権に対して沖縄では支持率二二%ですよ。それは民主党政権が悪いから私は罵声を飛ばされたみたいな、そういうことに私には聞こえました。
 それで、総理、先ほど申し上げましたけれども、戦争に巻き込まれるかどうか。沖縄の皆さんは、米軍基地が来て日本を守ってくれると思った。ところが、基地があるためにむしろ攻撃の標的になって安全ではなくなる。これは安全保障の裏表なんです。
 総理は、この間の参考人招致のときに、もとの法制局長官がお越しになって、この法案について憲法違反であるという話をされたこと、議事録等もお読みになっていると思います。もとの法制局長官がこの国会に来られてそういう発言をされるというのは、ある意味決死の覚悟で来られたと私は思いますよ。非常に重い言葉だと思うんです。
 その中のお一人がこうおっしゃっています。集団的自衛権の行使は自分の国が攻められていなくても武力行使するということだから、敵となる相手国に我が国を攻撃する大義名分を与えるということ、国民を守ろうというより、進んで国民を危険にさらすという結果をもたらすこともあるとおっしゃっているんですね。私はこれは非常に重く受けとめなきゃいけない言葉だと思います。
 そして、沖縄の皆さんも、基地があるということでさまざまな被害を受けていらっしゃるだけではなくて、裏腹にこういう、むしろ自分たちがまず最初に戦争に、今まで戦争があった、そしてこれからも巻き込まれていく可能性がある。
 この法制局元長官の言葉、そして沖縄の皆さんの御懸念、私はそれは非常に正当な、そしてこの法案を審議するに当たって総理大臣として重く受けとめなければならない、そういう視点だと思いますが、いかがでしょうか。

○安倍内閣総理大臣

 まず、先ほどの辻元さんの発言ですが、民主党政権が悪かったから罵声を浴びせられたと私が言ったかのごとくの発言は取り消していただきたいと思います。この短い間にもう三つも、私が言っていないことを言ったと言う、こういう姿勢はぜひ改めていただきたい、このように思います。
 そして、法制局長官の発言でございますが、今おっしゃった発言は、法制局元長官の発言ではありますが、憲法解釈との関係ではなくて、推測を述べておられるにすぎないわけですね。いわば政策的な選択肢の中における推測なんだろう。集団的自衛権を行使すれば攻撃されるかもしれないというのは推測だろう、このように思うわけでありますが、そもそもこれは憲法解釈との関係の議論ではないわけでありますから、それはそうなんだろうと思いますよ。
 そして、それに対する答えでありますが、私たちがいわば一部容認している集団的自衛権の行使というのは、我が国の存立が脅かされ、国民の生命そして自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険なんですよ。
 そのとき、例えば近隣諸国が日本に対してミサイルを発射するかもしれないという状況の中で、警戒に当たっている米国の艦船に対する攻撃を阻止できるのに阻止しなくていいのかという状況、あるいはまた近隣諸国で紛争があって、それから逃れようとする邦人を乗せている米国の艦船が攻撃を受けたときにこの邦人を守ることができなくてもいいのかということについて、私たちは国民から選ばれている国会議員として、国会として、またあるいは国会議員によって形成されている政府として責任を持たなければならないわけであります。
 それこそがまさに必要な自衛の措置とは何かということでありまして、我々はそこから逃れることはできないんですよ。むしろ逃れることは責任の放棄につながっていくわけでありますから、そこについては時々の安全保障環境をよく見ながら、しっかりと我々は責任を持ちながら判断していくことが求められている、このように思います。

○辻元委員

 今、米艦船の話が出ましたので、中谷大臣にお伺いしたいと思います。
 我が国はまだ攻撃されていない、そして米艦船を守るために自衛隊が出た、この事例はよく出されますよね。米艦船を守っているときに、敵方、相手方が潜水艦など、一番危ないのは魚雷だと思います、攻撃されるのは。これは後ろにいる小野寺さんが防衛大臣のときに大分議論いたしましたが、米艦船を守りに行った自衛隊の艦船が魚雷を撃とうとしている相手国の潜水艦を見つけたら、これは撃沈するということでいいですね。そういうことですよ。

○中谷国務大臣

 自衛権の話でありますが、我が国が自衛権を発揮できる場合におきましては、我が国に対する直接武力攻撃が発生また着手していないとできません。米艦の護衛等につきましては、現在、そういった権限については自衛隊にはないということでございます。

○辻元委員

 何を言っているんですか。存立危機事態で、我が国はまだ攻撃されていないけれども、存立危機事態と認定された後に米艦防護に行った自衛艦、自衛隊の艦船が相手の潜水艦が魚雷を撃とうとするのを見つけたら撃沈しますねと言っているわけですよ。

○中谷国務大臣

 まさにその部分がすき間のところでありまして、現在の体制ではできません。ところが、存立危機事態というのは、まさにそのまま放置すれば我が国が武力攻撃を受けたような状況になり得るということでございまして、まさに国の存立とか国民の権利が根底から覆されるという判断をした場合に、まず我が国と密接な国が攻撃を受けた場合に適用されるということでございます。

○辻元委員

 もう一回お聞きしますよ。
 だから、存立危機事態が認定された場合ですよ、自衛隊は武力攻撃ができることになりますね。それで、米艦防護という事例がよく出ますね。米艦防護中に相手が船を撃沈しようとしたら、こちらも攻撃をかける。そして、P3Cが哨戒している。P3Cは潜水艦も見つけると言われていて、今フィリピンに送っていますけれども、またこれは質問しますが、警戒している。そして、潜水艦が来て米艦船を攻撃しようとしているのを見つけたら攻撃をかけることができるようになるということですね、存立危機事態。この法律ができたらできるようになるということですねと聞いているわけです。

○中谷国務大臣

 存立事態におきましては新三要件というものが必要でございまして、そのまま放置すれば我が国の存立にかかわるような事態ということで、三要件がありましたら武力の行使ができるということでございます。

○辻元委員

 ですから、もう一度具体的にお聞きしますが、米艦船を防護に行くというのは、米艦船の周りを自衛隊の船がぐるぐる回っていることでも何でもないんですよ。敵を見たら攻撃することができるようになる、潜水艦を撃沈したり、そして自衛隊の航空機で相手の船を攻撃したりできるようになるなということを確認しているわけです。はい、どうぞ。

○中谷国務大臣

 無条件にできるとは言っておりません。三要件を満たす場合でありまして、総理も例示されましたけれども、そのままの状態にありますと我が国にたくさんのミサイルが落ちてきて大変な被害が出るというようなことで、存立危機事態と認定された場合においては武力行使をするということでございます。

○辻元委員

 結局、限定と言っていても、現場に行ったらどうなるかということなんですよ、これは。現実世界ですよ、限定だからこっちの攻撃はちょっとにしておこうとならないのが戦争なんですよ。ですから、米艦防護と言われているけれども、実態的に米艦防護の中身は何かといえば、新三要件を満たして、日本は攻撃されていないけれども武力攻撃ができるということは、相手方の潜水艦を撃沈したり、それから公海上で相手方の船に空爆をかけたり、そういうことができるようになるということなんですよ、実態は。防衛大臣ですから。
 だって、それをしなかったら、ただやられるだけで、ぐるぐる回っているだけですか、自衛隊が船の周りを。違うでしょう。フル装備で行くわけですよ、どんな場合にも備えられるように。攻撃される前に、米艦を攻撃してくる敵を見たらこちらから攻撃する、そのフル装備で出ていくわけでしょう。限定であろうが何であろうが、新三要件を満たして、そして存立危機事態で防衛出動をかけたら。
 大臣、どうですか、もう一度。はっきり答弁してください。

○中谷国務大臣

 新三要件というのは、まさに我が国の存立にかかわる事態でございます。
 現実に、ミサイル防衛といいますと、我が国単独でできるわけではなくて、米側の艦艇からいろいろな情報をもらい、またともに警戒し、そして実際にミサイルが飛んできた場合には共同で対処するわけでありまして、その米艦艇が攻撃を受けた場合に、そのままになりますと我が国にたくさんのミサイルが飛んできて大変な被害が出る、こう判断した場合、すなわち三要件に合致した場合におきましては、我が国としては米国を防衛するために自衛権というものを発動するということでございます。

○辻元委員

 今、米国を防衛するために我が国の武力攻撃をする、武力行使をすると。今おっしゃったとおりのことをアーミテージさんがおっしゃっているわけですよ。四月二十八日にアメリカのアーミテージさんが、安倍総理がアメリカで演説されたりしたのを歓迎されてこうおっしゃっています。日本周辺でアメリカ人を守るため、自衛隊員も命をかけるという宣誓なのだというように、NHKのインタビューで。安倍総理は議会でそういう宣誓をしたというようにアーミテージさんは受け取られているようなんですね。
 これは安倍総理も別の本で、軍事同盟というのは血の同盟ですと。アメリカの兵士だけが死ぬんじゃなくて、日本の自衛隊も命をかけるんだということをおっしゃっていますね。ここに書いてあるよ、血の同盟と。ごらんになりますか。
 だから、結局、限定的にといっても、実際の現場に行ったら戦争なんですよ。限定だからちょっとだけの戦争で、日本の戦争はうちは限定ですから攻撃しないでねとか、うちは限定やから米艦船が来ても撃つのはちょっとにしておくわとならないんですよ。実際の戦争に行くということなんですよ。違いますか。大臣、大臣が先。

○中谷国務大臣

 一言だけ申し上げますが、先ほど、米国を防衛するということではなくて、我が国を守っている米艦艇を防衛するということでありまして、この限定的な集団的自衛権というのはあくまでも我が国を守るという意味でございます。他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権までは憲法上認めていないということでありまして、我が国の存立を全うして国民を守るための自衛の措置として許容されるということでございます。

○安倍内閣総理大臣

 先ほど私の本を引用されました。確かに、血の同盟というのはまさに軍事同盟でありますから、日本の安全のために若い兵士が命をかけるのは事実であります。それは事実であります。しかし、我々は米国のために、彼らを守るために命をかけるということはないということはその本にも述べているとおりでございます。
 その中に、今回の限定容認については、まずはこれは三要件。まさに我が国、これは米国ではありませんから、我が国の存立が脅かされ、日本国民の生命と自由、幸福追求の権利が根底から覆されるということについて、まさに必要最小限度、またさらに他に適当な手段がないというときに行うものでございまして、そして、我々は限定的な武力の行使だから外国から攻撃を受けないなんということは、辻元さん、一言も言ったことはないですよ。それは違いますよ。武力の行使をするんですから、そのときには当然覚悟を持って武力の行使をする。
 なぜ覚悟を持つかといえば、国の存立が危うくなるからですよ、国民の命が危うくなるからですよ。私たちが享受している自由や幸福追求の権利が根底から覆されるからこそ、ここは覚悟して武力の行使をするわけであります。当然、相手も武力の行使をされたらこちら側に対して反撃するということもありますが、まさにその点においてはそういう状況になっているということでありますし、また、先ほど中谷大臣が答弁をさせていただきましたように、いきなり潜水艦を沈めるような行為は、いきなり行為をするということはあり得ないんですよ。つまり、三要件という状況の中になければならない。
 つまり、いろいろな状況等について、一つは例えばもう、先ほども少し例として挙げましたけれども、ある国が日本を火の海にすると言っている、そしてまさに日本にミサイルを撃ち込もうという準備が整ってきている、動員もかけましたよと。そしてその中で艦艇を集結して出撃の準備も始めているという、切迫状況に近い状況が来るわけでございます。そういう中においていわばどう判断をしていくかということになるわけでありますが、そういう中において米艦艇を攻撃するかもしれない、あるいは攻撃した潜水艦については、三要件に当てはまれば、そういう要件がそろえば我々は集団的自衛権の行使をするということになるわけでありまして、これはそういう状況であるということをやはり理解していただきたい。
 全く我が国の安全に関係ないのに、米国がどこかと戦争していて、それにかかわる国の艦船を私たちが沈めるということは全くないということは申し上げておきたいと思います。

○辻元委員

 私は、新三要件と存立危機事態が認定された場合に潜水艦等を撃沈することがあるのかと問うたわけで、ちゃんとその前提を置いております。
 結局、限定と日本で言っていても、実際の現場に行ったら戦争に参画するということなんですよ。(安倍内閣総理大臣「それはそうですよ」と呼ぶ)それはそうですよと今おっしゃったでしょう。総理は、巻き込まれることは絶対ないと。戦後、安保条約が締結されたけれども戦争に巻き込まれてこなかったと、さっき岡田さんとの議論もありました。しかし、これは集団的自衛権の行使を認めてこなかったからだと思いますよ。朝鮮戦争のときに米艦防護だといって行っていて、戦争に巻き込まれなかった保証はありますか。実際にそういうことなんですよ。
 日本は、戦争と、そして我が国を攻撃されたとき以外、ここにドアがあったんです。鍵がかかっていた。そして、このドアの鍵は国民しか解除できないという国だったんです、憲法で。このドアの向こう、我が国が攻撃されていないのに、これは今度やりますけれども総理とかつての法制局長官との議論でもありますよ、幾ら我が国が攻撃されそうだからといって、それでもだめですよというのが日本の国だったんです。戦争という世界に行くドアには鍵がかかっていて、その鍵を外せるのは国民だけなんですよ。そのドアを今、勝手に解釈だといって総理大臣が蹴破っていこうとしているから、憲法違反だと言われているんじゃないですか。その向こうは、それこそ潜水艦が撃沈されたり、戦争の世界なんですよ。
 この続きはまたやります。終わります。