つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2015年7月8日 「安全法制」特別委員会

2015.7.8

議事録

一昨日、七月の六日に沖縄で参考人質疑がございました。私も参加いたしましたけれども、地上戦を経験し、そして二十万人の方々が犠牲になり、さらにはアメリカによる占領、そして復帰後も米軍基地と直面する、そんな沖縄で非常に重いお話を承ったと思います。

 まず最初に、沖縄基地負担軽減担当大臣である菅官房長官にお聞きをいたします。

 こういうような御意見がございました。聞いてください。

 法案が成立すれば、他国との紛争に巻き込まれ、米軍基地が集中する沖縄がイの一番に標的にされる可能性が高い、沖縄が再び戦場になり、捨て石にされる。また別の方は、標的、攻撃の的になる。また別の方は、沖縄に災いをもたらすものであるというような御指摘。米軍基地があるので、基地が沖縄を守ってくれるというよりも、攻撃の標的にされるのではないかという非常に危機感を持った御意見が出ました。

 官房長官は、この考え方、どう思われますか。

○菅国務大臣

 まず、沖縄がさきの大戦において悲惨な地上戦を経験し、またサンフランシスコ平和条約発効後も、一定時期、沖縄が我が国の施政権の外に置かれていたという苦難の歴史、このことを私たちは忘れてはならない、ここはそう思っております。

 そして、戦後七十年を経て今日に至るまで、沖縄の皆さんに大きな基地負担をおかけしている、そう認識しておりまして、その負担軽減のために、負担軽減担当大臣として全力で取り組んでいきたいというふうに思います。

 それと同時に、国民の皆さんの生命と平和な暮らしを守っていくこと、このことも政府の大きな責任だというふうに思っています。

 今回、この法案が成立すれば、あらゆる事態に切れ目のない法整備が実現をするわけでありますので、日米同盟をより強化する、そのことによって紛争を未然に防ぐことができる、抑止力を高めて日本の平和と安定のために確かなものになる、こういうふうに思っております。

 同時に、このことで日米同盟が、これは完全に抑止力が機能しますので、抑止力が高まって、沖縄を初め我が国全体において攻撃を受ける可能性は少なくなる、こういうふうに考えています。

○辻元委員

 別の角度からお聞きします。

 参考人の方の中には、米軍基地では既にアメリカの海兵隊と自衛隊などの事実上の共同訓練が始まっていて、今回の安保関連法案を先取りしたような訓練が始まっているという御指摘もございました。

 そんな中で、結局集団的自衛権を一部認める、そして、私はこれは限定と思っておりませんが、紛争があったときに世界じゅうの後方支援等にも行くといういわゆる恒久法も含めて、米軍と自衛隊が世界で活動する幅が広がるわけですよね。これは否定できないと思います。

 基地負担を軽減するどころか、今まで以上に沖縄の基地の役割が強化されて、そして、沖縄の米軍基地、世界じゅうで米軍等と活動するということになりますから、一方で安倍政権は基地負担の軽減と言いながら、世界じゅうで展開するようになれば沖縄の基地の機能が強化され、今、実際に米軍はテロとの闘いの最前線で、沖縄の基地からイラク対応などもしておりました。そうなると、負担軽減と言っている一方で、しかし、この法案が通り、世界展開になれば、基地の強化と固定化につながるのではないかと私も考えます。

 安倍政権は矛盾しているんじゃないですか。いかがですか。

○菅国務大臣

 まず、世界で一番危険と言われる普天間飛行場を辺野古に移設する、このことは、十九年前に日米で合意をし、それから三年後の十六年前に当時の沖縄の知事そして市長が同意をいただいて閣議決定をして、現在進めているところであります。そして、普天間飛行場の危険除去、そして固定化は避ける、このことについては、沖縄県民も政府も思いは同じだというふうに思います。

 日米同盟の抑止力を維持して、この危険除去と固定化を避ける。それと同時に、普天間を辺野古に移設することによって、沖縄県に今海兵隊は一万八千人とも九千人とも言われています、その半分の方が、グアムを初め、沖縄県内から移設をする、これは日米の間で決定をいたしております。

 そして、私たちは、負担軽減のために、普天間飛行場にある三つの機能、一つは空中給油機、十五機でありましたけれども、これを昨年山口県の岩国飛行場に移転しました。私も視察をしてきました。そしてまた、緊急の飛行機の受け入れ、この機能も九州に移転すること、そういう方向でしっかりと見通しも立てています。

 そして、残ったオスプレイの訓練、これについてはできる限り本土で引き受けるように私ども全力で取り組んでいますし、現にオスプレイの整備工場については、まさに千葉県の木更津の自衛隊基地でその引き受けに向けての同意もいただいておりますので、私たちは、ここはしっかりと約束どおり基地負担軽減というものは進めていける、こういうふうに思っています。

○辻元委員

 ところが、先ほど申し上げましたように、自衛隊と米軍、最初は日本を米軍は守ると言って基地が来た、次、極東に広がった、そして世界戦略になっていくという中で、沖縄の皆さんの声は圧倒的に、やはり今後基地が強化され、固定化されるのではないかという声が多いわけです。

 与党推薦の方もこういう御発言がございました。市民の多くが、政府が何をしようとしているのか、今なぜこの法案が、法改正が必要か、正確にわからないのが実情だ、国民にはまだまだ不安がある、また別の方は、法案への国民の理解が深まっているとは言えないと。与党推薦の方もおっしゃったわけですね。

 菅官房長官、そんな中で、政府、菅さんや安倍さんが一斉に、PKO法のときも反対が多かった、しかし後々は理解が深まったとおっしゃっていますけれども、私は、PKOのときと質が違うと思います。全然違うと思いますよ。

 それは、ここの参考人の、地方にも伺いましたけれども、例えば元法制局長官や、それから元内閣官房副長官補という政府の中枢の方々、そして、何回もお名前を出して恐縮ですが、山崎拓さんのように、中曽根時代から防衛族と言われた、いろいろ取り仕切られた方々まで、PKOやイラク特措法を推進してきた人まで、今回はちょっと待て、今回はだめだよと言っているわけですよ。今までこんなことがありましたか。

 それを、いや、PKOのときは反対が多かったけれども理解があった、そういうことで説明されていること自体、国民の皆さんの深刻に受けとめているその思いを、政府はそれで切り抜けられると私は思えません。全くPKOのときと質が違うと思いますが、いかがですか。

○菅国務大臣

 今回の平和安全法制については、いろいろな御意見があるということは承知をしています。しかし、そうしたことに一つ一つコメントすることは控えたいと思います。

 いずれにしろ、我が国を取り巻く安全保障の環境というのはやはり大きく変化しているんじゃないでしょうか。北朝鮮は核開発を進めて、そして現に、ミサイルの実験をことしに入ってから何回も行っています。そういう中にあって、国民の生命と平和な暮らしを守る責務をやはり内閣は持っているわけでありますから、今回、切れ目のない対応をさせていただくためにこの法案を出させていただいたんです。

 そして、よく憲法学者は多くの人が反対だということを言われましたので、当時、自衛隊が発足するとき、大多数の憲法学者の人は反対されたんじゃないでしょうか。さらに、自衛隊PKO法案のときも、ある新聞のそうした調査ですと、憲法学者は八割反対だと書いていました。しかし、そうした状況にあっても、やはり責任ある内閣の立場として、当時、その中で進めてきて、今日の日本の平和があるのではないでしょうか。

○辻元委員

 官房長官、私はやはり今の御認識は甘いと思います。

 私が申し上げたのは、元法制局長官がこの場で、後輩の法制局の皆さんもいらっしゃるわけですよ、いろいろお気持ちもおもんぱかったり、いろいろあると思いますよ、そして実際に内閣の中枢でイラク特措法のときなどの実務を担ってきた方々なんですよ、そういう人が今回はちょっと待てと言っていること。

 そして、私は山崎拓さんと話しました。中谷大臣、九・一一の同時多発テロがあったときに、当時のパウエル国務長官と山崎さんはお会いになりました。そして、アメリカからいろいろなことを要求された、しかし、イラクでのあの人道復興支援、憲法の範囲でこれがぎりぎりだと。そしてさらに、これ以上踏み込むと日本人がテロに巻き込まれる可能性がふえる、また自衛隊に犠牲者が出る、何と言われようとも、日本人の命を守るためにぎりぎりの範囲があのイラクでの人道支援だったとおっしゃっていましたよ。

 中谷さん、この間お会いになりましたね。そういうお話を聞いていませんか。

○中谷国務大臣

 一時間ほどお会いをいたしまして、山崎先生のお話も伺いましたし、私の考えも述べさせていただきました。

 先ほどの沖縄の話ですけれども、日米の訓練がもう先取りして行われているということは、決してそうじゃありません。今の防衛計画の大綱に基づいて、島嶼防衛とか統合運用とか、やはりしっかりと日本の平和と安全を守るためにやっておりますし、ガイドラインも、何のためにやっているかというと、日本の平和と安全を守るためにやはりグローバルな協力も必要であるという認識でありまして、やはり目的というのは、国民の命と平和な暮らしを守っていく、そして沖縄においても、この日米同盟を強化することで紛争とか不安定要素を未然に防止する力、抑止力、こういったことで地域の平和と安定をより確かにするということで実施をしていることも御理解いただきたいと思います。

○辻元委員

 今いろいろ御答弁されたんですけれども、もっと根本のところで国民の皆さんは不安や疑念が晴れないわけです。

 憲法との関係で、横畠長官にお伺いしたいと思います。

 先日、宮崎法制局元長官がいらっしゃいまして、四十七年見解のことをおっしゃいました。横畠長官も一緒に働いた方で、第一次安倍政権のときには、あのときも集団的自衛権の一部容認という話が出て、あのときの長官で、横畠さんが支えられた元長官だと思います。

 この四十七年見解については、「いわば黒を白と言いくるめる類いと言うしかありません。」そして「その文章構成自体からも論理の帰結として述べられているのであって、当時の状況のみに応じた、いわば臨時的な当てはめの結果などと解する余地は全くないと思います。」と答弁されたんですね。

 横畠さんにお伺いしたいのは、四十七年見解、砂川のことはもうよくわかっています、横畠さんの今のお立場で、この宮崎さんの見解は、宮崎さんが間違いで横畠さんが正しいということですね。宮崎さんは間違った見解を述べられたという理解でよろしいですか。

○横畠政府特別補佐人

 私の見解は、これまでこの場においてるる述べているとおりでございます。

○辻元委員

 ということは、宮崎さんが間違った御理解をされているということでよろしいですね。

○横畠政府特別補佐人

 間違っている、間違っていないという評価をすべき立場にはございません。見解が違うということでございます。

○辻元委員

 横畠さんはこれ以上憲法解釈を変える場合は憲法改正が必要だとおっしゃっていますが、おっしゃっていますね、これはどこかに書いてありますか。

○横畠政府特別補佐人

 憲法の解釈というのは、恣意的、便宜的にできることではもちろんございません。やはりこれまでの議論の積み重ねというものが特にあるわけでございますので、それとの整合性というのを十分に考慮する必要があります。

 その意味で、砂川判決がそもそものベースかもしれませんが、その上に昭和四十七年の政府見解というのがございます。この昭和四十七年の政府見解は大変論理的に、憲法第九条のもとで、例外的にではございますけれども、我が国が武力の行使をすることもあり得るのだ、可能であるのだ、そういう場合を示しているものでございます。その考え方というのはしっかり踏襲して、それとの整合性のもとで今回の新三要件というものをお示ししているわけでございまして、それを外れるようなことはやはり法的にできないであろうということを申し上げているわけでございます。

○辻元委員

 今起こっている事態は、今の法制局長官の答弁も信じられないということになっているわけです。

 どういうことかというと、今まで、砂川判決の自衛権においても、いや、集団的自衛権はだめと書いていないから含まれる、そして四十七年見解においても、外国からの武力攻撃、我が国に対してと書いていないから他国も含まれているんだと。

 要するに、今答弁している大臣や法制局長官の答弁が、また将来変えてもいいよということになるんじゃないかという不安を国民の皆さんが持っているわけですよ。違いますか。そこの認識をすべきなんです。

 憲法というのは、紙に書いてある文字なんです。でも、これをみんなが今までの積み重ねでこうだと、参考人がおっしゃいました、政治と国民、合意をしているこの解釈を強引に変えてしまったら、これを信じられなくなってしまったら、国家の基礎が崩れてしまうんです。そこの危機感も国民の皆さんが感じているから、今理解が深まらないし、八割の人がこれはおかしいんじゃないかということになっているわけですね。これは立憲主義の立場からの国民の懸念です。私たちはそういうことをしていいのかと。今までこんなことはなかったですよ。

 そして、もう一つの不安はテロの問題です。

 先日、新幹線の焼身自殺、菅官房長官が、はっとした、テロじゃないかと、冷やっとしたとおっしゃっていました。先日、この国会議事堂の中でもテロ対策の訓練が行われたと承知しております。

 中谷大臣は、私が、後方支援等でちょっとでも海外で相手から軍事行動と見られるような行動をしたら、日本人がテロに狙われる、また日本がテロに狙われる可能性が高くなるんじゃないかと前回質問した、これに対して、テロは武力攻撃の一環として行われるものであるから、抑止力によって紛争が未然に防止され、テロのリスクは下げることができますと答弁されたんです。私、これは防衛大臣として全く甘い認識だと思うんです。

 資料をお示ししていますので、皆さん、ごらんになってください。

 これは、世界のテロ発生件数の推移なんですね。二〇〇三年、これはイラク戦争です。イラク戦争で、このときはテロの撲滅ということで武力行使をしました。この後、アフガニスタンの戦争もあり、二〇〇三年が一千二百六十二件。今は、二〇一四年のデータですが、一万六千八百十八件なんです。十倍以上になっているんですよ、中谷さん。

 これは、ただ当事国のテロだけではございません。ちょっと前も、フランスでまたテロの被害が出ております、六月二十六日も。日本も、後方支援だといって、それこそ他国の紛争の後ろからちょっとでも行ったら、みんな、日本人も日本もテロに狙われる率が高くなるんじゃないかという、これは普通の人の、参考人もいっぱいそういう意見が出たんですよ。

 中谷さん、私は、日本人がテロに遭う、また日本がテロに遭う可能性が高くなることは排除できないと思いますよ。その上でどうするかなんですよ。私は排除できないと思いますが、いかがですか。このデータが示しているじゃないですか。いかがですか。

○中谷国務大臣

 現実にテロがいつどこで発生するか、これは全く予測できません。

 つまり、二〇〇一年、九・一一のときに、三千二十五名の罪のない、ビルディングの中で仕事をしていた人がテロに遭っているんです。日本人も二十四人犠牲になっているんです。世界じゅうでテロが発生する可能性は否定できません。辻元さんが示している数字のとおりです。

 ではどうするのか。これはやはり国際社会がテロに対して、一丸となってこういったテロの行為をなくしていくという行動をとらなければいけませんし、各国いろいろな立場でいろいろなやり方があるわけでありますけれども、テロ行為に対して、こういった暴力、不法は許さないという国際社会の姿勢として、抑止力、こういうものを発揮してテロの発生を防いでいくということも必要でございますので、こうしたことでしっかりとメッセージを発信する。

 我が国においても、こういったあらゆる事態に切れ目のないような対応をすることによってテロの発生に対してしっかりと抑止する力を持つことが必要であるというようなことで、しっかりとした法律の整備も必要ではないかと私は思っております。

○辻元委員

 国民の皆さんの心配は、テロを呼び込むのではないかということなんです。それを、抑止力でテロは軽減できるとおっしゃいますが、イラク戦争やアフガニスタンの後、ポスト・イラク戦争をどうしていくかということ。結局、大量破壊兵器があるといって武力行使をした後の社会をどうしていくか。でも、私は、呼び込む率はやはりふえるというように認識せざるを得ないという国民の皆さんの方が正しいと思いますよ。その点を聞いたんです。いかがですか。

○中谷国務大臣

 今でも海外でたくさんの日本人が仕事をしております。日本人だけではなくて、世界じゅうの人々にとってこういったテロの発生は人類の脅威であり、そしてこれから新たな脅威ということで対応しなければならない。それぞれの国々が努力をしてテロの発生を防いでいこうといたしているわけでありまして、やはり対外的にも、国際社会が連携してこういったメッセージをテロ行為をするような人々に与える、そして国際社会が協力して対処するということは、私は、テロのリスクを下げることになり、そして具体的に海外の日本人の方々の生命財産を守っていくことにもつながるというふうに思います。

○辻元委員

 もう一点の心配が、戦争に巻き込まれるのではないかということなんですね。

 これについて伺いたいのですが、先ほどから重要影響事態の話がございました。重要影響事態で自衛隊が出ていくのは、武力行使を現にしているところとは違うところだという話でしたね。

 そうしたら、重要影響事態のときに公海上で後方支援をしている自衛隊の艦船がミサイルなどで爆撃されてしまったら、これは日本への武力攻撃事態になりますか。公海上。

○中谷国務大臣

 武力攻撃の認定等につきましては、我が国に対する組織的及び計画的な攻撃が発生をするということでございます。

○辻元委員

 今までの答弁は、組織的そして計画的であれば、公海上の我が国の艦船がミサイル等で攻撃された場合は我が国への直接攻撃とみなす場合があるとなっているわけです。そうなると、重要影響事態で、いや、後方支援です、安全な場所でやっているんですというのが一挙に、我が国への武力攻撃事態発生で防衛出動で戦争、全面戦争へということにもなりかねない。なりかねないんですよ。(発言する者あり)誰ですか。

 これは、国民の不安、要するに、今は、こんな安全なところに後ろから物を運びに行きますよと言っているけれども、何が起こるかわからない。そして、攻撃されたら、今までの答弁だと、公海上での我が国の艦船への攻撃は我が国への武力攻撃と見るとなっているから、日本への直接攻撃、一足飛びに武力攻撃事態に発展するということは排除できないわけですよ。これが戦争に巻き込まれるということじゃないですか。違いますか。

○中谷国務大臣

 現在までも、かつて特措法で二度、海外において自衛隊は活動いたしました、インド洋においてもイラクにおいても、これは人道復興支援でございますが。あくまでも戦闘が行われていない地域、非戦闘地域でありますが、この中で活動し、また、武力行使をしてはならない、そして攻撃等が予測される場合には活動を中断したりするというようなことで、そういうことにならないように活動してきたということでございます。

○辻元委員

 今、国民の不安で、テロや戦争に巻き込まれるのではないか、また立憲主義の根本が壊されるのじゃないか、非常にシビアな話をしているんですが、先ほどから出ておりますこれです。自民党のカフェスタ。ここで、安倍総理はおとといから出演されておりますが、先ほど緒方林太郎委員が言われましたように、きのう、スガさんも登場するんですよ。スガ君の家でスガ君が助けてと言っても、よその家には助けに行けない、でも、自分が何か危険を感じていて、強いアソウ君に守ってもらうというような事例なんですよ。私、軽過ぎると思います。これが国民にわかりやすい議論ですか。

 私、思うのは、国民の皆さんは本当によく勉強されています。立憲主義ということも一から勉強されている方がたくさんいらっしゃるんですよ。ところが、スガ君だ、アソウ君だ、安倍君だ。私は、こういう姿勢そのものが、安倍政権は一体どうなっているんだと。

 菅さん、これはやめさせた方がいいと思いますよ。これは安倍さんの個人的な行動ですか、何ですか。

○菅国務大臣

 ここは、まさに自民党のカフェスタというところで、国民の皆さんの理解を進める中で、総理が出て多くの方に聞いていただけるというのは、ある意味では理解を進めるための一つの手法じゃないでしょうか。

○辻元委員

 一番最初に、思い出してください、米艦船での邦人の輸送ということで、赤ちゃんを抱いた女性のパネルなどを出しました。あれも、あの事例だけじゃ無理じゃないかという話、そしてホルムズの話も出てきました。そして今、結局、米艦防護になっています。

 中谷大臣にちょっとお伺いします。

 この米艦防護について、きょう北側委員も事例を挙げて質問されましたけれども、具体的に言えばアメリカのイージス艦ですね。日本へのミサイルが来たら困る、アメリカのイージス艦がいる、しかし、イージス艦が攻撃をされる際に、日本がこの米艦を防護、ミサイルで攻撃される前に日本のイージス艦も対応してこれを守らなきゃいけないんじゃないかという問題意識を議論されていたと思いますが、それでよろしいですか。

○中谷国務大臣

 まさにミサイルの防衛は我が国にとって大変重要な問題でありまして、現実に北朝鮮から射程圏内のミサイルに対してどう対応するか、これは日本だけの能力、技術ではできません。やはり宇宙衛星から発射瞬間の情報をもらい、そして米側からも逐次状況についてのデータをもらう、こういう情報の共有は我が国にとって必要なものでございます。

○辻元委員

 そうすると、果たして自衛隊が米艦を守れるのか。

 これは午前中に防衛省に出していただきました。今、イージス艦の数は、日本は六隻、うちBMD対応のイージス艦は四隻。米国が保有するイージス艦は八十四隻、うちBMD対応のイージス艦は三十三隻。そして、横須賀に配備されている米軍のイージス艦は十隻、うちBMD対応のイージス艦の数は五隻となっております。日本のイージス艦六隻のうちの四隻ですね、実際にミサイルに狙われたとき米艦を防護できるのは。

 そうすると、この四隻については、調べますと、任務、訓練、修理のローテーションがあって、実際に二隻程度、最大三隻程度しか対応できないわけです。

 もしも存立危機事態があって、既に先に日本の近隣諸国で紛争があって、アメリカは武力行使をしているわけですね。大臣、しているわけですね。そうすると、横須賀の十隻のうち五隻がBMD対応ですけれども、来援してくると思うんです、もうアメリカは紛争に参画していますので。例えば、八十四隻のうちの三十三隻、BMD対応のイージス艦が三分の一来ても十隻、アメリカは来援をよこす。三分の一でも、そうすると十五隻になるわけです。日本は、対応できるのが四隻しかないんですよ。

 実際に、米艦防護をするといいますけれども、我が国の存立が根底から覆されそうな事態でしょう。かつてこういう議論がありました。これは私も質問しておりますが、日本には五十四基の原発がございます。日本の国内に核爆弾を抱え込んでいるようなものなわけです。PAC3と日本のイージス艦でこの原発を、最大限フルに使っても守れない、今の状態ではという話なんですね。

 そうすると、日本の存立が根底から脅かされそうなときは、日本の装備はイージス艦も含めて全部、まず日本を守るというところに振り向ける。アメリカは、既に横須賀に日本よりも数の多いイージス艦がいるわけですよ。私は、これで日本をまず、存立が脅かされそうなんだから守らなきゃいけないのに、アメリカのイージス艦を守りに行きますと。現実的に無理じゃないかと思うんです。

 いかがですか、大臣。日本をまずしっかり守らなきゃいけないでしょう。どうやって守るんですか。

○中谷国務大臣

 今、事例として、原子力発電所に対してミサイルの攻撃があった、どうするのかということでありますが、だから一層ミサイル防衛をしっかりしておかなければならないということでありまして、現在横須賀には米国のBMD能力搭載イージス艦を五隻配備しているところですけれども、弾道ミサイルに対して日米が共同で対処する場合に、これらのイージス艦は自衛隊と協力して弾道ミサイル発射の早期探知やミサイル迎撃を行う。

 具体的な運用についてはお答えを差し控えますが、定期整備、訓練などのために、横須賀に配備されている米軍の艦艇全てが稼働しているとは限らず、またその時々の情勢によって同時に複数のミサイルが発射される可能性もあり、これに対処するために艦船を幅広く展開する必要がある可能性もあることなどから米軍の艦船の防衛が手薄になる可能性はあり、こうした場合には弾道ミサイルへの共同対処の実効性を損なうおそれがありまして、自衛隊がこれを排除する必要が生じることはあり得ると考えております。

 だから、日米の共同対処、これは安全保障条約に基づいてでもございますし、我が国の国を守るという観点で、こういった共同対処が必要だということでございます。

○辻元委員

 今、アメリカのイージス艦は遠近両用のイージス艦というか、ミサイル防衛をしているとき、近くもしっかりと対応できるイージス艦もあって、日本はまだございません。

 そして今、例えば護衛艦は四十七隻、日本はたしかあると思いますけれども、アメリカが艦隊を組むときは、空母が中心になって、空母を中に、イージス艦や補給艦や輸送艦、全部ユニットを組んで来るわけですよ、十隻ぐらいの。それでアメリカが動いているところに日本の護衛艦が、では守りましょうと一隻入っていくんですか。実際に、私、現実から見たら、この事例すら無理があるんじゃないかと思いますよ。大臣、いかがですか。

○中谷国務大臣

 実際どういう状況が起こるのか。だから、日米は共同で訓練をしたり共同作戦計画を立てたり、こういった実際に起こり得る事態も想定をしながらしっかりと我が国の安全を確保しているわけでございまして、日米で協力して対処している、また訓練もしている、準備もしているということでございます。

○辻元委員

 日本は四隻しかないんですよ、イージス艦は。そして、アメリカはユニットで作戦行動をしますので、さらに護衛艦で守ろうとしたら、これは魚雷対応ですよね。スクリューの音を聞かなきゃいけないから、十キロから十二キロ離れて走るでしょう。それを、アメリカは全部一つのオペレーションで来ていますから。

 今、事例が三つ、特徴的なのがあるんです。一つ目が、赤ちゃんを抱いたお母さん。

 これも、中谷大臣、前、周辺事態法のとき、私も一緒におりましたけれども、このときに、ガイドラインで日本人の邦人輸送をアメリカに頼んだけれども、「米軍の飛行機を頼らざるを得ないんですが、当初、ガイドラインにも米軍による邦人の救出を入れて、米国が実施する項目というようなことでお願いをしておったんですが、最終的にはアメリカから断られました。これはもう一人前の大人として当然のことですけれども。そういうことを他国に頼られて義務にされるとアメリカも、本当にたくさんの国からそういうことを頼まれると困る、自分のことは自分でやりなさいというようなことで、当然のことだと思います。」と。前回断られているでしょう。

 私、このときの外務省の担当していた人にも、もうOBですけれども、確認をしたら、よく知っていますね、断られましたとおっしゃっていましたよ。

 今回のガイドラインのこの邦人輸送のところは、前回と同じ英文なんですよ。協定もアメリカと結ぶ予定がないわけですよ。

 まず一点だけ、これは正直に言ってください。正直にですよ。このとき、断られましたね。このときはですよ、このときはでいいから、前回。これだけは決着をつけておいた方がいいですよ、中谷さん、余計なことを言わずに。

○中谷国務大臣

 それは、安全保障委員会で質問はいたしましたが、私が質問をしたのは、新聞の報道に基づいて質問をいたしました。

 事実、その後、しっかりガイドラインに記述をされて、実際に訓練もやっております。そして、今回、日米のガイドラインを合意いたしましたけれども、このガイドラインの中で、日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動の例として、非戦闘員の退避のための活動に従事しているアセットの防護に関する協力が明記をされておりますし、実際に邦人の救出等におきましても日米共同訓練、こういうことも実施をしているということでございます。

○辻元委員

 結局、あの絵は何だったんだ、赤ちゃんを抱いて。私は、感情に訴えようとしてわざと出したとしか思えません。

 その後、ホルムズ海峡が来ました。この事例も、ほぼ停戦合意ができたらとかになってきているわけですよ。そして、今の米艦の防護も、実際にイージス艦は四隻しか今対応できない、何隻かふやそうとしていますけれども、横須賀にいるイージス艦の方がずっと数が多いわけですよ、実際に。そういう中で米艦防護、現実的に私はできないと思います。

 最後に一問だけ、先ほどの質問で、岸田外務大臣にお伺いします。

 もう一つの国民の不安は、自衛隊の皆さんの命の問題です。災害のときも頑張ってくださって、本当にありがたいとみんな思っている。日本を守るときには頑張ってほしい。でも、何か後ろからついていって自衛隊の皆さんが犠牲になったり、それは困るわと。

 それで、先ほどのジュネーブ条約、紛争当事国の軍隊の構成員ではございませんと、後方支援の場合は。では、何なんですか。文民ですか。文民でいいんですか。そうすると、軍服を着た、武装した、武器を持った文民という解釈でよろしいですか。

○岸田国務大臣

 まず、先ほども答弁させていただきましたが、我が国自衛隊の後方支援は武力の行使には当たらないということでジュネーブ諸条約の適用がない、そして捕虜として扱われることはありません。

 その上で、それではどうなるのだという御質問でございますが、自衛隊員が捕らえられるような事態が発生したとしても、まず我が国は、法的な立場として、こうした身柄の拘束そのものを容認することができないという立場にあります。ですから、我が国としましては、当該要員がどのような待遇を受けるか以前の問題として、身柄の即時解放を強く求めていく、こういったことになります。

 そして、そうした上で、その際にどういう待遇になるかという部分ですが、この身柄は少なくとも、普遍的に認められている人権に関する基準並びにジュネーブ諸条約にも反映されております国際人道法の原則及び精神にのっとって取り扱われる、こういったことになります。

 ですから、捕虜として取り扱われるかどうか。捕虜として取り扱われますと、紛争が解決するまでは身柄は解放されることはありません。しかし、こうした捕虜として取り扱われないわけですから、我が国としては即身柄の解放を求めていく、こういった立場にあるわけですし、そして、どのような処遇を受けるかということにつきましては、今言ったような違いはあるにしても、基本的には同等の扱いを受けることになると認識をしております。

○辻元委員

 安倍総理がことしの予算委員会でこうおっしゃっているんです。捕虜になった場合、軍人として扱われなければ、これはまさにテロリストと同じことになってしまう可能性があるという答弁をされているんですね。

 自衛隊の皆さん、日本だけですよ、これは武力行使の一環じゃない。それは通用しないんです。ですから、国民の皆さんは、私が今聞いただけでも、では、米艦防護と言われるけれども、実態的にどうなんだ、何をどうするんだ、そしてテロはふえるのか減るのか。それも何だか、抑止力でテロが減るとか。

 菅官房長官、私は、これは国民の理解が深まる深まらないという問題ではなく、ここは勇気を出してこの法案を撤回した方がいい。恥ずかしくないですよ。撤回した方が、ああ、安倍政権はよく国民の懸念を理解されているなというように、私は国民の皆さんは納得されると思います。

 最後は、もう時間が参りましたので、勇気を出して法案を撤回する、一から出直してください。

 終わります。