つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

1/26(火)予算委員会で新型コロナについて質問――菅総理「必要な医療が提供できていない」、五輪には医師・看護師など一万人が必要!?

2021.1.27

国会ブログ

1/26(火)衆議院予算委員会で、第三次補正予算の審議が行われました。私はこの日、新型コロナ禍の医療体制、五輪開催、変異株の水際対策、感染症法改正について質問しました。

私は予算委員会の野党筆頭理事なので、進行に問題があれば出ていけるように菅総理や金田勝年委員長が一番よく見える席に座っています。初日の質疑では菅総理が辛そうな表情で、声にもあまりに力がなかったので、「大丈夫かしら」と心配していました。最高指揮官がこれでは、動くものも動かないのではないかと。

この日もはじめは消えそうな声で答える菅総理と、勢いよく手を上げて出てくる田村厚労大臣という構図でしたが、私が「菅総理、そこで逃げるからだめなんですよ!」と言ったとたんに菅総理の目の色が変わったように見えました。「逃げるようなことは全くしません!」と答弁に立たれ、その後の質疑では多少声にはりが出てきたと思います。
いまは日本の危機です。与党も野党もありません。互いに全力で議論していきたいと思いますので、「たたきあげの菅総理」の根性を見せてほしいと思います。

 

この日の質疑では、菅総理が必要な医療が提供できていないことをとうとう認めました。この答弁は、ロイターなど海外のメディアも素早く伝えました。
https://jp.reuters.com/article/idJPL4N2K109F
また、菅総理の肝いり政策である看護師支援も、思うように進んでいない事実がわかりました。菅総理は昨年12月14日の視察後「いま看護師がやらざるをえなくなっている清掃などを専門業者にお願いして負荷を減らす」と言いましたが、1か月以上たっても請負が成立したのはわずか3件。業者のリストを都道府県に投げただけではだめで、やはり点検が必要になります。

 

そして、東京オリンピック・パラリンピックでは驚くべき事実が発覚しました。いま想定している東京五輪開催時の医師・看護師等の動員数は1万人とのこと。コロナ対応、ワクチン対応をしながらどうやってこの人数を確保するのでしょうか。総理自ら「必要な医療体制が提供できていない」と認めたばかりなのに。
少なくとも、1万人が確保できなければフルサイズでの東京五輪はやれないと明かしたに等しいと思います。また橋本 東京オリンピック・パラリンピック担当大臣からは、無観客にするかどうかは春までに検討する、ととれる答弁も。

 

そして新型コロナ変異株のリスクが増えている問題です。
厚労省の報道資料からは1/22時点で、
・空港検疫で見つかった変異株感染者の数 36
・検疫では見つからず自宅待機間に発症した変異株感染者の数 5
とわかります。現時点で8人に1人は検疫では見つけられなかったということです。
すでに市中感染例が出ていることからも、日本の水際体制は甘かったというほかありません。

 

最後に入院先から逃亡した方や入院を拒否した方に刑事罰をつけるという感染症法の改正に反対しました。感染拡大の防止にマイナスだからです。
刑事罰につながるとなれば、検査を控える人も出るかもしれません。感染者に対する差別や、監視社会化が進む恐れもあります。

そして、実務を担う保健所職員の方々をさらに追い詰めることになりかねません。
感染者に寄り添ってきた保健所の方々を、感染者を告発する立場、犯罪者にする立場に立たせないでほしい、とある東京23区の区長から悲痛な叫びがありました。
実務上も疑問があります。警察が身柄を捕らえたらどうするのか。病院に戻してもまた逃げるかもしれない。鍵をかけるのか。このために特別の施設を全国の警察に用意させるのか――物理的にも無理では、と政府に問いました。

 

45分間の質疑でどこまで菅総理の「言葉」を引き出すことができたかはわかりません。26日の夜、与党は私たちの組み換え案を拒否し、第三次補正予算案は衆議院を通過しました。参議院で引き続き審議し、おかしなことは正していきます。

ブログ「1月26日予算委員会での辻元の質疑全テキストです」