つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

「安倍総理、米艦による邦人輸送は、どんな模擬訓練をしているんですか?」政府に確認中です:参議院予算委員会・福山議員への答弁

2014.7.17

国会ブログ

7/15の参議院予算委員会で、民主党の福山議員が、集団的自衛権の行使について安倍総理と対決し、「数量的概念」をはじめ、法制局長官による「(閣議決定の案文には)意見はない」などの重要な答弁をいくつも引き出しました。
その際に、「米艦による邦人輸送」に対して、安倍総理から驚くべき答弁を引き出した。「模擬的な訓練はやっている」というのです。
↓ 本件のこれまでの政府とのやりとりについては過去ブログを参照
●つじともブログ「倍総理、ハリウッド映画の見すぎではないですか――「邦人脱出の米艦防護パネル」はやっぱりありえない。米国務省のウェブサイトを紹介します。」
●国務省HPと邦訳
●つじともブログ「防衛省報道官がミスリード? 「米艦邦人輸送」で米軍のアセットを利用しても、「米艦に日本人を乗せたという想定の訓練」はやっていません。」
●防衛省資料「コブラゴールド」
これは、私がこれまで防衛省から受けてきた「そういった訓練はない」とする説明と矛盾するのか、それともこの短い間に別の訓練を行ったのか、いったいどちらかわかりません。これを質疑のあった7/15に政府に問い合わせましたが、本日時点でも回答をまってほしいとのこと。私は事実関係を確認しただけなのですが・・・。
この点は、立法事実に関わる点です。
福山議員がこの日の質疑で、横畠内閣法制局長官に「憲法解釈を変更する閣議決定に対して、立法事実は確認したのか」と問いました。すると横畠長官は閣議決定の文言を持ち出し、「他国に対する武力攻撃が発生した場合におきましても、それによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険が生ずる場合、そのような場合があり得るということの説明を受けております」「(法制局が)自ら政策的に判断するということはございませんで、そのような事実があり得るという説明を前提として、法的な論理について検討をした」と答弁しています。
つまり、法制局は論理だけを確認したのであって、集団的自衛権の行使容認の根拠となる立法事実については、責任をもたないということです(閣議決定の案文に対してもわずか一日で検討を行い、内閣官房には「意見はない」との回答を行ったということも、この点と関係してくるのかもしれません)。
素直にこの答弁を読めば、立法事実がなければ、閣議決定そのものの正当性が危うくなるということでしょう。
そして安倍総理は、ご存じの通り何度もこの「邦人輸送の米艦防護」を事例として持ち出しています。
私は引き続き、この点を追及しています。
<以下、参議院予算委員会でのやりとり>
福山議員
アメリカは自国の国民ですら、国務省が、ある国への旅行注意情報を出し、出国を勧告しているからといって、その国にいるアメリカ市民の救出をアメリカ軍が支援してくれると期待してはなりませんと、これはアメリカの国務省の領事部のホームページです。その下でございます。アメリカ軍のヘリコプターや米国政府の輸送機が護衛付きで救出してくれると期待するのは、ハリウッドのシナリオに影響されすぎていて現実的ではありません。
これ、アメリカが言ってるんです。そして、最後、我々は米国市民の支援を最優先します。米国市民でない友人や親戚を米国政府のチャーター機や民間以外の輸送手段に乗せられるとは期待しないでくださいと、こう書いてあるわけです。
我々がこの議論を前回の外交防衛委員会でもしたときに、アメリカ人が民間人を輸送艦に乗せることはないと、そんなことはあまり現実的にはないと申し上げたときに、総理は私にそれはアメリカにおまかせということですかと反論されました。アメリカにおまかせではありません。アメリカはこういったことを米国の国務省のホームページでいっています。
そして、さらに申し上げれば、お名前は申し上げませんが、自民党のある議員が、平成11年3月、最終的に、ガイドラインにも米軍による邦人の救出を入れて、米国が実施する項目ということでお願いをしておったんですが、最終的にはアメリカから断られましたと、これ自民党の議員がおっしゃられています。
結果として、総理が……、総理が席でやじをいわないでください。
私は、こういったものがでていることもふくめて、国民に対して記者会見で何度も何度も米艦を防護しないでいいのかというのは、国民に誤解を与えると思います。
安倍総理
そもそもこれは、一般の国民が勝手にいろんなところに行って、常に米軍の資産によって、こうして、安全な場所に移動させられるということを期待して行かれても困るということでありますが、一方、朝鮮半島については、これはガイドラインに書いてあります。模擬的な訓練もしています。してます。いやいやしてますと、私は政府を代表していっているんであるから、まちがい…店、いやいや、もういいとか、今、福山さんは困ることをいわれたからそういっておられるんでしょうけど、これは模擬訓練も……(速記中止)
よろしいですか。これははっきり政府を代表して申しあげておきますが、ガイドラインのなかに書いてあります。つまり、半島有事の際には、そこにいる米国人を含め民間人、これは大量の民間人になるわけでありますが、それをいわばエバキュエーション、避難をさせるというのは大きな任務の一つになっているわけでありますが、そこにおいて、いわば模擬的な訓練ということも行っているのも事実であります。ということは申し上げておきたい。
これはいわば勝手にどんどん行かれても困るということでありますから、それと先ほどの自民党の、名前を出さないからわかりませんけども、そういう人がいるかどうかですね。しかしそれは全く事実とは違うということははっきりと申し上げていきたいと思います。